◇年支の蔵干の考え方
子が年支の場合で説明していく。
蔵干の占める期間の比率は黄経上の角度に対応するが、子の場合、壬水と癸水の比率は、6対24、つまり、 1対4だから、1年の5分の1が壬水、残りの5分の4が癸水に該当することになる。年支の場合は、立春の時刻に年が変わり、黄経360度をこの蔵干の比率で按分すると、黄経上の角度は、壬水が72度、癸水が288度となる。
次は、1年間を10の□で表記して、蔵干の比率を視覚的に示したものである。
1年 ■■□□□□□□□□
壬  癸

実際の黄経で言うなら、年の始まりの立春は黄経315度だから、ここを始点として、72度黄経上を太陽が移動した地点、つまり、

315 + 72 = 387

となり、黄経は360度までなので、右の計算値から360を引いて、黄経27度が蔵干の壬水から癸水への転換点になる。
つまり、子年、卯年、午年、酉年の場合、二つの蔵干の交替する時期は、だいたい4月17日頃となるが、 この蔵干が替わる日時分は、毎年変化するので、天文学的に厳密に計算しなければならない。
辰年、未年、戌年、丑年の二つの蔵干の比率は、12対18であるから、黄経360度をこの比率で按分すると、 黄経上の角度は、144度と、土は216度となる。例えば、辰月であれば、乙木の期間が144度で、戊土の期間が216度となる。
この数値からして、辰年、未年、戌年、丑年の二つの蔵干が交替する時期は、7月1日ごろとなるが、同様に、この蔵干が替わる日時分は毎年変化するので、天文学的に厳密に計算しなければならない。

◇月支の蔵干の考え方
月支の場合は、1カ月は黄経上で30度だから、子月であれば、6度が壬水、残りの24度が癸水となる。日数で言うなら、節入後の6日ほどが子(壬)となり、卯年、午年、酉年も同様である。辰月、未月、戌月、 丑月の場合は、節入から12日間ほどが余気の期間、残りの18日ほどが土の期間となる。
これら月支の蔵干が交替する日時分は、巻末の「干支暦・太陽暦対照表」に天文学的に厳密に計算した結果を掲載してある。

◇日支の蔵干の考え方
日支の場合は、1日24時間だから、子の場合で言えば、日が変わってから、4時間48分が、子(壬)の期間となる。つまり、真太陽時午前4時48分以降は、子(癸)になる。他の卯日、午日、酉日も同様である。辰日、未日、戌日、丑日の場合は、真太陽時午前9時36分が、蔵干の替わり目となる。

◇時支の蔵干の考え方
時支の場合は、1刻は120分だから、 最初の24分が子(壬)、 その後が子(癸)となる。他の卯刻、午刻、 刻日も同様である。
ただし、遅い子の刻の場合、遅い子の刻になってから、午後11時24分までが子(壬)、午後12時に日が替わり、それ以降が子(癸)となる。
辰刻、未刻、戌刻、丑刻の場合は、それぞれの刻の最初の48分が余気の期間で、残りが土の蔵干に対応することになる。
日支と時支の場合は、天文計算によらなくても簡単に、正確な蔵干の替わり目を求めることができるが、年支と月支の蔵干の替わり目の時刻は、毎年変化するため天文計算によって求めるしかないことになる。
以下は年・月・日・時それぞれの、蔵干の替わり目の時刻を示した一覧表である。正確な蔵干の替わり目の時刻は、ソフトウェア「四柱八字表示(準拠版)」で確認していただかなければならないが、パソコンが手元にないような場合には参考になると思う。
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「四柱推命学入門」小山内彰 (希林館)より