均時差は、天文学とか暦法を学ぶ際に見かけるくらいで、日常生活上、まったく知る必要がない時差である。
その定義は次のようになる。

均時差=真太陽時-平均太陽時

と定義されている。したがって、出生地の真太陽時を求めるには、

真太陽時=出生地の平均太陽時+均時差

を計算すればよいことになる。
この均時差が生じる原因は、地球の公転軌道が楕円形であることに由来するが、さらにその原因は二つに分けることができる。 その一つは、

● 太陽の引力の変化による地球の自転速度が変化する

これはケプラーの法則として知られているものである。地球が太陽に近づくと自転の速度が速くなって、1 日の長さが短くなり、太陽から遠ざかると自転の速度が遅くなり、1 日が長くなる。
このことにより、真太陽時と平均太陽時との間に差が生じるのである。もう―つの原因は、

● 太陽に対する地球の公転軌道の角度が変化することに由来する、見かけ上の速度変化

例えば、航空機が飛んでいるのを真横から見た場合と、斜め横から見た場合では、移動速度が異なって見えるのと同じ理由で、太腸の見かけの移動速度が変化し、時差が生じるのである。
この二つの要素が絡み合って複雑に均時差が変化する。

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「理科年表」に毎日の詳しい均時差の計算値が発表されるが、均時差は毎年それほど大きく変化するものではない。1000年間でせいぜい3、4 分くらいしか変化しない。だから、よほど 厳密さを要求される場合以外は、近年のデータを元にして作った上記のような均時差グラフから数値を読み取っても、実用上問題のな い値を得ることができる。

上の均時差グラフによると、10月1日の均時差は、およそプラス10分ということがわかる。ということは、 実際の太陽の位置は、平均太陽時よりも10分先行していることになるのである。したがって、前述した出生地の平均太陽時と、この均時差の10分を加算すれば、真太陽時に補正することができることになるのである。
出生地の時差と均時差を補正することなく四柱八字を出すと、時刻の干支が一刻違ったり、日の干支が違ったりすることがある。節入の時刻の近辺に生まれた場合などは、生月の干支、まれに生年の千支さえ誤ることがある。
四柱八字は、時計の示す時刻ではなく、実際の太陽の位置が示す時刻である真太陽時で出さなければならな い。そのため、やや面倒ではあるが、以上説明した、出生地の時差と均時差で出生時間を補正しなければならないのである。
「四柱推命学入門」小山内彰 (希林館)より