時刻は太陽の位置によって定められるのであるが、地球の自転する速さが毎日少しずつ変化するため、1日の長さは24時間より長い時期と短い時期がある。これでは社会生活を営むには都合が悪いため、日常使用している時刻は、つねに一定のスピードで移動する仮想の太陽を基準にして定められている。この仮想の太陽による時刻を平均太陽時と言う。
仮想の太陽は、24時間ちょうどで360度回転することになるので、経度を1度移動するのに4分かかることになり、地図上の経度の1度の差は、4分の時差を発生することになる。そして、北極側から地球を見ると、地球は時計と反対に回っているので、基準点から見て東方が先行し、西方が遅延することになる。以上をまとめると、

① 経度差1度が、時差4分に相当する。
② 東が先行し、西が遅延する。
③ 日本の標準時の基準は、兵庫県明石市を通る東経135度にある。

以上の三つの事項を考慮し、出生地の時差を求め、出生時間を補正しなければならない。例えば、東京都庁は東経139度41分42秒付近にある。日本標準時の基準である東経135度の東に位置するので、都庁の真太陽時は、標準時より先行していることになる。
都庁と日本標準時の基準との経度差は、139度41分42秒から135度を引くことによって求めることができ、その計算結果は、4度41分42秒になる。
この経度は分秒で表記されているので、度に単位を変換する。分秒から度に単位を換算すると、1度は60分、1分は60秒であるから、

4+41÷60+42÷60÷60=4.695
となり、経度差は約4.695度ということになる。これに経度1度あたりの時差4分をかければ、都庁の時差となる。つまり、

4.695×4=18.78分=18分46.8秒

となり、正午の時報を都庁で聞いた場合、その時の平均太陽時は、午後0時18分47秒頃ということになる。出生地が東経135度より西にある場合は、その地点の平均太陽時を求めるには、時計が示す時刻から時差をマイナスすることになる。
出生地の経度は、地図ソフトがあれば、かなり正確な数値を知ることができるが、それほど厳密な数字は必要としないことが多く、印刷物の地図から読み取っても十分である。
次に、日本地図を掲げ、明石市との経度による時差を示しておく。これによっておおよその時差の分数を読み取れることと思う。なお、海外の場合も出生地の標準時の基準点との時差を求め同様に計算すればよい。海外の標準時については、「理科年表」に詳しく書かれているので参考にしていただきたい。
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「四柱推命学入門」小山内彰 (希林館)より