『星平會海全書』の内容をまとめ、一覧表にすると次のようになる。
旺相死囚休は、以上のように定義されているが、旺相死囚休は、五行の力量そのものを示す概念ではなく、勢いを示すものと理解しなければならない。『滴天髄』には、進、退という表現を用い、旺相死囚休の概念について次のように言われている。
理承氣行盤有常。進分退分宜抑揚。
《五行の理は四季の変化を承けてめぐるもので、どうしてその中にあって少しも変化せずにいることがありましょうか。五行の気が、進むのか退くのかを見極め、必要に応じて抑えたり、揚げたりしなければならない。》
とあり、意訳すると右のようになる。例えば、
木旺の場合、木旺 火相 土死 金囚 水休
となるが、火は相令であり、次に旺じる状態にあるため、進気とされ、金は囚令、水は休令であり、徐々に衰える状態にあるため退気とされる。そして木と土はそれぞれ、進と退が極まった状態にあると考えられる。また旺相死囚休を、その五行としての充実度の順に並べると、
旺 相 休 囚 死
となる。右の順に、各五行の勢いを理解する方便として数字を割り振ることもできるが、旺相死囚休の作用を数字で表現すると、旺相死囚休の考え方の本質から外れ、誤解を招く原因となる恐れがあるので、本書ではあえてそうしたことはしないことにする。
「四柱推命学入門」小山内彰 (希林館)より