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キーワード:障害

蹇。利西南。不利東北。利見大人。貞吉。

(けんはせいなんによろし。とうほくによろしからず。たいじんをみるによろし。ていきち。)

「蹇」はゆきなやむこと。「水山蹇の時は平坦な西南(坤・地)方位に行くのが良く、険しい東 北(艮・山)方位に行くのはよろしくない。 有識者に相談することだ。貞正にして吉。」蹇の字は、文字どおり寒さに足が凍えて進めない状態を表わしています。この卦の上卦には水があり、進めば水流に巻き込ま れ、あるいは穴の底に落ち込みます。また、この卦の下卦には山があり、退いても険しい山に立ち 塞がれ、進退に窮します。このように、水山蹇の時は動けば危険に遭遇し、どうにも進むことのできない時です。今は止まって反省し、時の至るまでひたすら徳 を積むことです。謙虚にして従順に、目上の人の意見に従うことです。頑張るより仕方のない時。

◎易の中で三大難卦の一つです。

 

 

〔大意〕賽(けん)とは難で、山にさえぎられ、水に行く手をさえぎられて進退きわまる卦であると一般には解 釈されています。しかし『易経』には「貞しければ吉なり」とあり、賢明に対処すれば決して悪いとはいえない。 むしろ大きな収穫が得られると考えられます。

困難がおこったとき、どうすればよいか。マーフィー博士はいいます。「忍耐強くしていなさい。相談できる良い人を見つけなさい。あなたはその情況と、素手で戦ってはいけない。自分の中の無限の力を信じなさい。無限の知力はあなたが黙っていても困難に対処し解決する道を知っているのだ」と。

困難に負ける、障害に負けるとは、その渦にまぎこまれることです。まきこまれると、身の自由がきかなくなり、 ふだんの能力の十分の一も発揮できない。

そしてついには怒りや恐怖や絶望感にさいなまれて、最悪の行動をしてしまうのです。

聖書には「人の心にある計りごとは、深い井戸の水のようだ」という成句があります。それはのぞき込んでも絶対にわかるものではない。深い底にあって理性ではうかがい知れないが、そこから清い水を汲むことはできる。

すべての困難は外部にあるようで、実はその人の心の中にある。それを克服するためには、潜在意識に委ねるのが最良の方法なのです。そこで大切なのは、どんな場合でもマイナス思考をしてはいけないということです。

「この障害は乗り越えられないのではないか」と思った瞬間から、それは現実のものとなります。なぜなら、まさしくそれをあなたが望んだからです。この卦は困難や障害を暗示しているが『易経』には「絶望」とは書いてない。賢くふるまえば、あなたの人生を飛躍させる機会として大いに活用できるものです。

 

  • 初6:気を楽にしてあらゆる抵抗をやめよ。

往蹇來譽。

(ゆけばなやみきたればほまれあり。)

「進めば困難にあい、退けば誉を受ける」。退いて時を待つ時です。

 

  • 二6:あなたは安全に守られている。

王臣蹇々。匪躬之故。

(おうしんけんけん。みのこにあらず。)

蹇々」は困難苦労の多いこと。「大臣が悩み苦しみつつ事に当るが、一個人のためではなく国のためである」。人のために身を粉にして働 く 時です。腹を据えて献身の精神に徹すること。

 

  • 三9: 題に正面から立ち向かうな。

往蹇來反。

(ゆけばなやみきたればかえる。)

「反」は自分の内に帰ること。「進めば困難に遭い、退いて守れば安きを得る」。本分を守って内部を固める時です。

 

  • 四6:あなたがいますべきことは、自分の潜在意識の力を確信することだけである。

往蹇來連。

(ゆけばなやみきたればつらなる。)

「進めば困難に遭うので、退いて仲間と協力する」。退いて友人と協力する時です。

 

  • 五9:信頼できる友と手を組みなさい。

大蹇朋來。

(おおいになやみともきたる。)

「大きな困難に遭い苦しむが、同志が来て助けてくれる」。有力な助っ人の現れる時です。もうじき「ゆきなやむ」状態から脱出できます。

 

  • 上6:安らぎの流れの中に身をおいている自分を実惑しなさい。

往蹇來碩。吉。利見大人。

(ゆけばなやみきたればおおいなり。きち。たいじんをみるによろし。)

「碩」は大なること。「進めば困難に遭うが、退いて守れば大きな功績を得る。吉。有識者に相談することだ」。苦しかった水山蹇の時が 去りつつあります。援助を得られる時ですので、有識者に相談の上、事に当たりましょう。きっと運が上向いてくるでしょう。

◎水山蹇の中では良い時です。

 

 

 

「マーフィの易い」J.マーフィ(昭和61年、産能大学出版部)及び以下を参照しています。

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