つぎに、「凶方」についてです凶のきまり方については、たんに悪い星のいる方角とだけ言えないところがあるで、注意してもらわねばなりません。というのは、さきほどもお話ししたうに、 悪い品のマイナスの力は良い星ブラスの力の二倍くらいもあるため、その星のはいっている方角だけでなく、その真正面に向かいあった方角にまで、その力がおよんで、悪い方角になってしまうという性質があるのです。このよう性買のため、凶方だけはとくに、方位上、特別の名まえをつけて、注意をうながすようにしています。
まず、それぞれの人が持っている、二つの悪い星のいっぽう、つまり、さきほどお話しした自分の星、本命星のはいっている方角は、「本命殺」と呼ばれ、その真向かいの方角は「的殺」と呼ばれる凶方になります。「本命殺」の方角の特徴は、偶発的事故とか、他人の責任で起きた事故とかでない、自分に責任のある事故が発生しやすいという点です。また、これは高名な方位学研究家の長年の統計的結論ですが、犯罪者が犯行現場から逃走する場合には、九割までがこの本命殺の方向に向かって逃げ出すということです。家出人などの場合も、家をとび出してから最初に向かう方向は、この方角が圧倒的に多いようです。
これに対し、「的殺」の方角の特徴は、この方向に動くと、他人が引き起こした事故の犠牲になりやすいという点です。
◎出典 「改定方位学入門」高木彬光著 カッパブックス及びブログ作者の収集データーによる◎