さて、以上のいくつかの例をとおして、「方位」の持つふしぎな力と、それを知らないで行動することの恐ろしさ、知って活用することのすばらしさとが、よくおわかりになったことと思います。

となると、つぎはとうぜん、「では、それだけの威力をもった良い方角、悪い方角は、どうしたら知ることができるのか。」ということでしょう。

そうです。もちろん、それをよくお話しし あなたにも気軽に「方位学」を使えるようになっていただこうというのが、この本の目的なのです。だから、これからがいよいよ本論です。

まず、「方位学」とは、どんなところから起こってきたものなのかということから話をはじめましょう。

あなたは、この本を手にされたとき、まず目次をごらんになったでしょう。そして、 そこに「一白水星」とか「二黒土星」とか「三碧木星」とか、見なれない言業がならんでいるのに気づかれたと思います。この見なれない言葉は、ぜんぶで九つあります。これを称して九つの星「九星」と言います。「星」とは言っても、夜空に見えるあの星のうちのどれかというわけではありません。いわば、これは天の星とはちがう「地の星」とも、目に見えない 「方位の星」とも言うべきものです。

 

「地の星」とか「方位の星」とかいう考え方は、古代から高度の文明をもっていた中国大陸の人ぴとのあいだに、何千年もまえから、だれ言うとなく浸みわたっていた考え方でした。

 

◎出典 「改定方位学入門」高木彬光著 カッパブックス及びブログ作者の収集データーによる◎