亡くした妻の場合は、乳癌だった。素人知識で、乳癌は治りやすいなどとたかをくくっていたが、実は、非常にたちの悪い、治りにくい癌であることは、加療の中で徐々に理解された。亡き妻の場合には、悪条件が重なった。発病が25歳、おまけに第二子がお腹の中にいた。通常は、喜ばしいことだが、子供がお腹の中にいると、成長ホルモンが多量に体内に存在して、それが癌細胞をも増殖させてしまうというのだ。