◆ 価値観が変化Lた実例③「自動車」「冠婚葬祭」◆
「力と物の時代」には、多くの人が「物に価値があり、物をどんどん増やしていかなければならない」と思っていました。ところがある時期を過ぎると、あまり物に価値を見出さないようになります。
例えば、数十年前まで若者は自動車を欲しがり「彼女を横に乗せてデートする」ことがステータスでしたが、現在は自動車は移動手段の一つとして「カーシェアで十分」という人が増えてきています。少子化が進んでいくと、さらに変化していくことが考えられます。
そうすると、社会習慣も変わっていきます。
現在の「結婚」は、仲人を必要とする形式はほとんどなくなっています。「家」と「家」という感覚も薄れ、友人の集まりのような結婚パーティで良いという傾向です。
「葬儀」も同様です。昔は、家族が亡くなったら各方面に連絡し、葬式の準備をして、親戚一同から会社の関係者まで集まり、通夜と告別式をするということが当たり前でした。
この習慣は何百年も続いていて、なくなるはずがないと思っていました。
ですが最近はコロナ禍の影響もあり、家族葬のような小規模な式で済ませたり、通夜や告別式を省略する直葬(ちょくそう)など、葬儀自体を行わないケースも増えてきています。
そして、私たちをとりまく、普段の生活環境も大きく変わってきています。
学校や職場で友人もほとんどつくらず、むしろ利害関係のない気楽な友人と少人数で食事したり、遊びに行ったりする。SNSやゲームなどを通じてのバーチャルな交流で、生活の満足感を得ている人が増えています。
このように非常に多くの変化がすでに現れているのに、今でも「力が正義」で、「力と物の時代」だと錯覚している人が多いのです。
「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房 令和6年刊より
R080818

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