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◆ 江戸時代の日本は世界でも稀有な平等社会 ◆「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房刊より

◆ 江戸時代の日本は世界でも稀有な平等社会 ◆

江戸時代の人口比率は、農民=約90%、武士=約7%、町人(エ人と商人)=約3% とされています。
大多数の農民の家は、ほぼ同じでした。もちろん貧農と豪農と比べると差はありますが、平均してみるとけっして貧弱な家ではなく、土問もあり、囲炉裏(いろり)の部屋もあり、寝室もあり、納戸もあるところに住んでいたので現代と遜色(そんしょく)ありません。
当時の日本には、木材が豊富にあり、土地もありました。江戸時代の人口は3000万人くらいでしたから、今の4分の1程度。家を建てる場所にもあまり困らず、農民たちは比較的同じような造りの家に暮らしていたのです。

士農工商という身分制度はありましたが、生活水準の差はほとんどありませんでした。
例えば、食事です。一般的な武家の食事風景は、主人である武士が中心に座って食事をし、奥方がお櫃(ひつ)の前に座ってお世話をします。卓欲台の上にご飯と味噌汁と魚、香の物が置かれます。これと同じようなかたちで、農民や商人も食事をしていました。
服装は反物(たんもの)を仕立て、サイズが変わったり、汚れたりしたら反物を崩し、それをもう一度縫って仕立て上げるというのが基本でした。そのため、何十着も着物を持っているという人もいませんでした。
着物がボロボロになったら雑巾に使うというような生活でしたので、現金が必要という場面はあまりありませんでした。
武士階級でも、非常に権勢が強く、毎日高級な料理屋に行ったり、女性をはべらせたりしているような特殊な人はいましたが、「武士は食わねど高楊枝」というくらい江戸時代の武士は倫理感が非常に強く、彼らには「民のために働き、質素でなければならない」という意識がありました。
よくヨーロッパのほうが民主的だと言われますが、階級制度は日本のほうがずっと平等でした。現在でも、イギリスでは貴族制疫が残っており、貴族たちが広大な領土を保持しています。革命の国フランスでは制度自体はなくなりましだが、肩書きは今でも残っていて「公爵、子爵」と苗字に書くことができます。
また、ヨーロッパではシャンデリアなどで立派な食堂を造るという文化がありますが、日本にはそういう文化がありませんでした。
日本の場合は、大名屋敷も極めて筒素です。これについては、江戸時代の終わりに来日した外国人が驚き、「私たちはなぜ必要以上に華美な暮らしをしているのだろう」と反省したというエピソードも残っています。

「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房 令和6年刊より
R080803

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