連載:至誠の覚醒 第3話「加島敬介」
大綱中学校は、迷うほど広かった。生徒数が多分3000人。一学年が、13とか15クラス。
校舎がいくつもあった。どこへ行けばいいのか、わからなかった。
その時、声をかけてくれた丸ぽちゃの可愛い生徒がいた。加島敬介という名前だった。彼は黙って私を教室まで案内した。たまたま、同じクラスだった。
後になって知ったことがある。彼の父は、ある寺を拠点とする新興宗教の教祖だった。だが、加島が中学生の頃、父はもういなかった。母が、父の代わりに教団を支えていた。
彼がそのことを話したのか、私が察したのか、もう覚えていない。ただ、彼は親切だった。それだけは確かだった。
あれから半世紀以上が経つ。数年前、私はバイクで彼を訪ねた。富士山麓にある教団の施設だった。広大な敷地に、礼拝堂があった。彼は、美男子で中学生のころとは見違えるほどの大男となった。
彼には子がいなかった。代わりに、大型犬が家族だった。笑顔が絶えなかった。
本当の宗教家は、勧誘しない。ただ、大切なことだけを、相手のことを考えて伝えようとする。加島にはそのひたむきさがあった。
私はその笑顔を見て、思った。この人は、解脱したのだ、と。
(つづく)R090312
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