● 現代農業は石油に依存しきっている
石油がなくなれば、農薬もなくなり、化学肥料もなくなってしまうため、農作物の収量は格段に下がることになる。
現在ビニールハウスで育てている作物などはほとんどつくることができなくなる。現在でも8億人の人が栄養不足の状態にあり、農作物の収量が減少すれば餓死する危険性が高い。だから、世界中で30億人ぐらいが餓死してもそれほど不思議ではない。
特に日本には石油も鉄鉱石もほとんどなく、非鉄金属(レアメタル)もない。非鉄金属というと馴染みが薄い人もいるだろうが、銅、亜鉛、すずなどのなくてはならない元素を含んでいる。このようなものがほとんどなくなるため、日本人の生活が大きく変わることは間違いない。
そこで日本にとっては、石油がないこと、石油を備蓄することができないことなどを考えて、リサイクルやダイオキシン、地球温暖化などの対策を取るよりも、石油がなくなった時に日本人の子孫が生き残れるような環境対策こそが最優先されるべきである。
『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』武田邦彦 洋泉社刊 2007年
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