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「家で暇にしている人」を頼りにする

リサイクルについての私たちの「自己中心的な考え」は人間と自然との関わりでも似ています。
そのことを、今まで人間が使ってきた資源との関係を整理しつつ考えたいと思います。
代表的な天然資源は石油、石炭、天然ガス、鉄鉱石、銅鉱石、ポーキサイト、石灰石などがあります。それぞれ油田、石炭などの鉱脈などにあり、一カ所にまとまって存在します。つまり人間が利用している天然資源は地表に広く分布しているものではなく、ある特定のところに集まっているものなのです。広く拡がっているものを利用している例としては海に溶けている塩化ナトリウム(NaCl)例がありますが、これも岩塩がある地方は海からはとりません。
このように、天然の資源は自然が太古の昔に徐々に徐々に蓄積してくれたものです。鉄鉱石などは数十億年をかけた形跡がありますし、石油でもある特定の地層に埋蔵されており、その厚みは数億年です。したがって、人間は地球の資源を自由に使っているようにみえますが、厳しい制限の中にいるといえるのです。別の表現でいえば人間は自然に対し、単独で資源を獲得できるほど偉くないといういい方もできます。
リサイクルの間違いの一つは、人間が今まで何でも利用できた、人間の力は大したものだと思ったところにあります。そしてさらにリサイクルは小学生や主婦などがペットボトルやアルミ缶を無料で集めてくれる、それを資源にしようと虫のいいことを考えたのです。
この考え方は家電リサイクルでも同じょうに実施されようとしています。リサイクルするべき家庭電化製品はこれまでの「自然」に代わるもの、つまり「家で暇にしている人」に期待しようとしているのです。またリサイクル工場では低賃金で環境の悪い職場でも働く人たちをあてにしているのです。
リサイクルや環境は未来に向かうものです。そして、未来は明るく満ちたものです。しかし、今から進もうとしているリサイクル社会は、特定の人たちが「リクーナブル・ビンは環境に良い」といって自分たちは瓶を返さずに飲むだけ、「ペットボトルはリサイクルしよう!」と呼びかけて容器包装リサイクル法を作って自分たちはペットボトルをリサイクル箱に入れるだけ、「家電製品はリサイクルしよう!」と呼びかけて家電リサイクル法を作り自分たちはテレビを買うだけでリサイクルはしない、そして「ボランティアで環境を守ろう!」といって主婦や子供に活動を期待する。そういう人たちが環境を指導してもらっては困るのです。
「リサイクルはものの大切さを子供に教える一つの手段」と考える人もいますが、現代のリサイクルは「リサイクルを他人にさせる」ことを教えているにすぎないともいえます。本当に大変なのは、ペットボトルをリサイクル箱に入れたり、牛乳 パックを折り畳んだりすることではなく、自分で膨大な汚ないペットボトルをより分けたり、紙からインクを抜いたりすることだからです。
環境問題を指導する人は自ら行動して環境を守らなければならないと思います。
『リサイクル汚染列島』(青春出版社)武田邦彦著より

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