昭和40年の経済不況は、山陽特殊製鋼が同年の3月6日に会社更生法の適用を申請したことによって深刻化しました。
前年の39年には、将来性ある企業として経済評論家の推薦銘柄だった山陽鋼が、なぜ倒産状態に陥ったのでしょうか。
そこで商号を分析して画数の相乗力と反発力を採点し、企業の問題点を究明したいと思います。
山陽特殊製鋼は、昭和9年12月に株式会社として設立されました。その後、昭和34年1月に現商号に変更しました。そして問題の40年春を迎えたのです。
まず、山陽特殊製鋼株式会社という旧商号で、反発部門をしらべてみましょう。
○O(社内経済成果、社内金融も意味します)の82画と○N(社内業務管理、労務管理も意味します)の41画がまず反発しています。次に○B(社外企画課題、発展企画も意味します)45画と○R(企業経済成果、社外金融も意味します)の90画が反発しています。
これは、順調な時が過ぎていったん反発期に入れば、かねて進めてきた発展計画(事業投資)の推進に突然支障をきたしだすことを意味しています。それは、景気環境が急速に悪化したり、金融機関の融資逼迫や株式の不調などの状態を招きます。その結果、社内金融も急速に悪化して労務管理の面に多大な課題をもたらしたと推測できます。
ただし、この商号の良い点は、○S(販売向上施策、売上収益も意味します)の64画が、○G16画、の準相性に支えられて、積極的かつ着実に販売利益を向上させる運力を持っていたことです。
この旧商号と、ワソマン社長、荻野一氏との相性関係は、相性の合計が64点、反相性が36点ですから、共昇期には100点の相性度、反発期には28点の相性度でした。これは、波乱含みですが、かなりの克服力をもつ相性関係にあります。
次は、新商号で相性を計算してみましょう。相性は56点に対して、反相性は42点になりました。
したがって、共昇期には98点の相性度で旧商号より2点減り、反発期には14点の相性度となって旧商号より14点も減ってしまいました。
さてこんどは、新商号の山陽特殊製鋼株式会社で、相乗力と反発力を調べてみましょう。
○O(社内経済成果、社内金融も意味します)の102画と○E(販売売上環境)の51画が反発しています。これは、反発期に至れば、販売環境が悪化して、収益減少を招き社内金融を圧迫することを意味します。
次に○S(販売向上施策、販売収益)の82画と○N(社内業務管理)の41画が反発しています。これも、反発期に至って販売収益が激減し、たちまち業務管理に支障をきたすことを意味します。
特に注目したいことは、旧商号の○S(販売向上施策)の64画は、荻野社長の○S(所得感情)の16画と準相性であったことが、この会社の優れたポイントだったことです。ところが、新商号は一挙に弱点となって倒産の憂き目を見ました。商号変更の難しさをこの例でも良く理解していただけると思います。
『姓名(なまえ)』牧正人史著 青春出版社 昭和47年刊による
