教育に関する勅語は明治二十三年十月三十日、明治天皇が我等臣民のしたがい守るべき道徳の大綱をお示しになるために下し賜ったものであります。

勅語を三段に分けますと、其の第一段には

 

朕惟うに我が高祖高宗国を肇ること宏遠に徳を樹つること深厚なり我が臣民克く孝に億兆心を一にして世々厥の美を済せるは此れ我が國體の精華にして教育の淵源亦實に此に存す

 

と仰せられてあります。

 

この一段には、まず皇室の御祖先が我が国をお始めになるにあたって、其の規模が誠に広大で、且ついつまでも動かないようになされたこと、御祖先はまた御身をお修めになり、臣民をお愛しみになって、万世にわたって御手本をお残しになったことを仰せられ、次に臣民は君に忠義を尽くし親に孝行を尽くすことを心掛け、皆心を一つにして代々忠孝の美風を全うして来たことを仰せられてあります。終に以上のことが我が国体の生粋な立派な所であり、我が国の教育の基づく所もまたここにあることを仰せられてあります。

『国民の修身』監修 渡辺昇一