登はさきに人のすすめにより、ある先生について、ゑをならつてゐましたが、おれいが十分に出来なかつたため、二年ばかりでことわられました。登は力をおとしてないてゐたら、父が「これくらゐなこどで力をおとしてはならぬ。ほかの先生について勉強せよ。」といひました。登は父のこどばにはげまされて、ほかの先生についてならひました。その先生はよくをしへてくれられましたから、登のわざはだんすすみました。そこで登はゑをかいてそれをうり、うちのくらしをたすけながら、なほ/\ゑのけいこをはげみました。又その間にがくもんもしましたが、ひまが少いので、まい朝、はやくおきてごはんをたき、その火のあかりで本をよみました。

カンナンナンヂヲタマニス

『国民の修身』監修 渡辺昇一