食傷と財は日干から外向きに作用が働く通変であるが、この作用の方向性がそのまま性格面においても、行動的で積極的な性格に関与することになる。日干に隣接する干がいずれも食傷か財であるなら、家にじっとしているのが苦手で、いつも外に出かけて、人と会う約束をし、旅行に出かけたり、スポーツをしたり、行動的な面が強い性格になる。
ただし、日干があまりにも弱過ぎる場合、食傷と財の作用が原因で、人間不信に陥ったりして、家に閉じこもりがちとなることもあるので、四柱八字だけではなく、大運も考慮して判断しなければならない。
逆に印と官殺の作用は内向きに働くので、自分の世界に閉じこもったりするような、内向的と言われる性格に関与することになる。日干に隣接する干がいずれも印か官殺であるなら、部屋にこもって本を読んだり、ゲームをしたり、パソコンを触ったり、そういったことを好む性格を形成することになる。
なお、日干に隣接する食傷単独の性格に与える影響は、食傷の外向きの作用から類推できるように、拘束されることを嫌い、自由を好むことになるが、印もまた表面的には同じような性格面を形成する要因となる。食傷によるこの性格面への影響は、言いたいことも言えず、自身の考えを反映できないような状況を嫌うことがその根本的な理由となり、印の場合は、関心を持つことができること以外には関わりたくないという気持ちがあることがその理由となる。
また、日干に隣接する官殺単独の性格に与える影密は、官殺の内向きの作用からして、自分の考えを抑え、相手に合わせようとする行動・性格面の形成に関与することになるが、財もまた表面的には同じような行動・性格面に関与することになる。しかし、官殺によるこうした性格面への影響は、自分自身の立場とか面子・体面、あるいは地位を守るために、自身の考えを抑制し、相手に合わせようとする心の動きが関わっている。つまり、自分が退けば丸く収まるという意識が根底にあることになるが、財の場合は、相手に好く思われたいという意識が根底にあるという違いがある。相手に合わせるという行動とか態度は見かけ上は同じに見えても、動機はまったく異なっているのである。
また、就学期に運動クラブに籍を置いていたりして体を動かすことを好む人は、日干に隣接して食傷、財が多くあることになる。ただ身体を鍛錬する作用は、印に関連することであるので、スポーツマンは、必ず印が弱過ぎたり、あるいは逆に強過ぎたりするものである。
スポーツにもいろいろな種目があるが、チームワークを必要とするような団体競技には、財の作用が必要になる。財は「自身の置かれた状況の認知」に関わるからである。財が日干に隣接していない場合は、基本的に団体競技には向かないことになる。
「四柱推命学入門」小山内彰 (希林館)より
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