この節は、四柱推命で具体的事象を見るまでに通過しなければならない段階を、鳥諏図的に述べ、読者の方々の理解の便を図ることを意図して設けたものである。
四柱推命で具体的事象を見るためには、生年月日と出生時刻、そして出生地の情報が必要であるが、それらが明らかな場合、以下の手順にしたがって、進んでいくことになる。

① 生年月日時を、出生地と均時差(後述)で補正する。
② 補正した生年月日時を元に干支暦により年月日時の干支、 すなわち四柱八字を出す。
③ 年月日時それぞれの蔵干を明示して、月支の蔵干から旺じる五行を確認する。
④ 大運を出す(後述。)
⑤ 必要に応じ、旺を逆転する(後述。)
⑥ 四柱八字中の隣接する干同士の生剋・料を見て、日干の強弱を判別する。

以上の段階が終わった後、五行の視点、通変の視点から八字を見、具体的事象を推察することになる。なお、⑤の段階までは機械的な作業であるため、本書のホームページ(巻末の著者略歴参照)で提供しているソフトウェア「四柱八字表示(準拠)」(ウィンドウズ用)ですべて自動的に処理することができる。しかし、⑥とそれ以降の具体的事象を見るための作業は自動化は不可能な事柄になる。
そして、大きく分類すると、具体的事象には次の二つがある。
◇その人に生まれながらに備わっている事柄
◇出生後、家族、社会との関わりの中で発生する事柄
前者は、四柱八字のみで見、後者は、前者を考慮しつつ、四柱八字と大運・流年(後述)との関わりから見ることになる。
「四柱推命学入門」小山内彰 (希林館)より