前ページの表中にある黄経とは、天球上の太陽の通り道である。天球とは、地球を中心に据えた半径無限大の仮想の球のことである。太陽の天球上の位置を示すために、ちょうど地球の緯度と経度のように目盛りが設定されている。春分が黄経0度の基準点となり、黄経上15度ごとに節と気が交互に配されている。
二十四節気は、『理科年表』においても黄経により天文学的に厳密に定義されているが、四柱推命ではこうした天文学的な知識は特に必要としないので、これ以上の説明は控えることにするが、典味のある方は天文学関係の書籍を参照していただきたい。

24節季表

なお、日本において黄経の度数によって天文学的に二十四節気が定義されるようになったのは、15 0年ほど前に寛政暦から天保暦へ改暦された時からである。それ以前は、冬至の時刻を基点として1年を単純に42等分する常気という方法で二十四節気が定められていた。常気による二十四節気の日付は、天文計算による現在の二十四節気の日付と、最大で2 日ほどのずれが生じる。本書では、天文学的に厳密に定義されている現在の二十四節気を採用している。
こうした日本の暦の変遷とか経緯は、内田正男氏の編著による「日本暦日原典」(雄山閣)が特に詳しい。専門的に学びたい方はそちらをご覧になっていただきたい。

「四柱推命学入門」小山内彰 (希林館)より