◇ツキを呼ぶには何をすべきか

よく、ツキがないとか、あるとかいいます。ツキとは何かといえば、それは

“強さ”です。何事においても強い人間がツキのある人間である。弱いツキというものはありません。ではそのツキを招くにはどうしたらいいのか。

ごく一般的に“ツキ”というものを「幸運」と考えると、それをどうやって招くかは非常に難しいが、強さと考えればその手だては考えられます。それは何かといえば「自分はツキがある」と思い込むことなのです。

勝負事をしている人はよくわかると思いますが、弱気のときにいい結果が出ることはまずない。自信をもって強気に堂々と戦うときに勝負は勝利する‥‥‥このことはプロのスボーツ選手や囲碁・将棋などの世界にいる人たちはよく知っていることです。

ツキとは自分に最大限の自信を持った状態のときにおこる良い結果であるということがでぎる。ツキとはどこからかやって来るものではなく、自分の内部からつくり出すものなのです。つまりツキは誰の内部にもあるものです。たとえば、徹夜でマージャンをやると、誰でも一回くらいはツキの状態になる。どんなに弱い人でも勝つチャンスというものに恵まれることがあります。

これをもって人は「ツイている」というが、そのとぎのツイている人の心理状態はどうかといえば、まず自信をもって勝負をしていることが一つ、もう―つは「自分はいまツイている」と思っているはずです。

ツキを呼ぶために何が必要かといえば、それは「自信」です。自分に対する自信、これこそがツキを呼ぶ最高の方法です。問題はその自信をどうやって得るかということです。

「自信を持て」「はい、わかりました」で、すぐ自信が持てるならこんな便利なことはありませんが、そう簡単に自信は持てるものではない。

なぜ自信が持てないのか。それは潜在意識の理論からいえば「想像力の欠如」ということになります。自信とは自分の能力や技量で物事ができるかどうかの見通しのことです。そして見通しを立てるのは 想像力である。この想像力が欠如している(あるいは悪い想像に終始する)から自信が持てないのです。

では自信を持つにはどうしたらいいのでしょうか。それはまず、自分のことを誇れる存在になることです。何でもいい。何か一つ、人よりもすぐれたことができる自分、人から好かれる自分、健康な自分、物事に積極的な自分、物事をあきらめない忍耐強い自分………どんな自分でもいいから、自分で誇れることを見つけ、つねにそれを意識すること、これが自信をつける第一歩なのです。

 

「マーフィの易い」J.マーフィ(昭和61年、産能大学出版部)