キーワード 熱意
予。利建侯行師。
(よはこうをたてしをやるによろし。)
「予」は喜び楽しむこと。「師」は戦争のこと。「雷地予の時、諸侯を動かして戦争を行っても良い」。雷地予の時は、まるで外国旅行の 準備をしている時のように嬉しく楽しい時です。あるいは春が訪れた時のように喜びあふれる時です。会社でもうきうきするようなこと、たとえば、上司の引き 立てなどがあるでしょう。しかし、怠惰になったり、慢心して脱線しやすい時でもあります。油断大敵です。
〔大意〕雷が地上に嗚りひびくイメージです。予は喜びとか楽しむの意ですから、これは非常に積極的、行動的になることで良い状態になるという、吉の卦と解することができます。
人問だれでもそうですが、何かに打ち込んでいるときは、心が豊かだし楽しんでいるものです。そしてそういう情況でしたことは成功を勝ち得ます。ところで、予(ょ)は楽しみであり喜びですが、それは道理に従ってはじ めて得られるものである。道理とはいわば自然の摂理といってもいい。自然に逆らう無理があってはわれわれはほんとうに心の底から楽しむことはできないのです。
熱意というのは、その根底に楽しみや喜びのある勤勉のことです。熱意を持って何事かをしているときの状態を思い浮かべてください。そこには不安や心配があるでしょうか。イライラ高ぶった神経があるでしょうか。それはほとんど没我、無我の状態で、しかもさえた判断力と積極的な行動が見られる。
わたしたちは、何をするにも熱意を持ってできるような情況をつくる必要があります。
それが成功し勝利するための最高の方法論です。「人生をより良くデザインするためには、知識や才能、努力を考えるよりも、心の状態を前向きにすることである」このマーフィー博士の言葉は、熱意というものを持っための心構えを教えています。
たとえば「気が乗らないがしなくてはいけない」ことがあったとします。それをそのままの状態ではじめれば、結果はそう良いものにはならないはずです。そういうときは「これをすることが楽しいのだ」と無理矢理にでも 自分に言い聞かせることです。この訓練をつづけていると、あなたはどんな仕事にも熱意をもって取り組めるようになります。
- 初6:あなたの信念は実証されなければならない。
鳴予。凶。
(めいよ。きょう。)
「喜びを外に鳴り響かせるようでは凶」。実力がないのに慢心したり、遊び呆けるようではいけません。他人を当てにしないこと。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
- 二6:風が吹き、雨が降り、洪水が押し寄せても、家が倒れることはない。
介于石。不終日。貞吉。
いしにかいす。ひをおえずていきち。)
「石にかじりついてでも一日中頑張る。貞正にして吉」。蒋介石総統の名前はこの爻辞から取ったものと思われます。誘惑に負けずにひた すら努力する事です。
- 三6:あなたはやってくる機会を受け入れるようにしなければならない。
盱予。悔遲有悔。
(のぞみをよす。くいることおそければくいあり。)
「盱」は上を見上げること。「上ばかり見てへつらい喜ぶ。早く気づかないと後悔することになる」。高望みばかりしているのではありま せんか。身の程を知り、分相応を心がけることです。
- 四9:あなたはあらゆることの繁栄の源を持っている。
由予。大有得。勿疑。朋盍簪。
(よりてよす。おおいにうるあり。うたがうなかれともあいあつまる。)
「寄り集まって喜ぶ。大いに得ることがある。疑わなくとも良い。同志があつまってくる」。あなたを中心にして和気あいあいと喜び集ま る時です。信頼が厚くいい協力者が得られるでしょう。
◎大変良い時です。
- 五6:「わたしは偉大な存在から守られている」と確信しなさい。
貞疾恒不死。
(ていしつつねにしせず。)
「貞疾」は持病のこと。「持病のある人は、どれだけ体を労わるのでかえって長生きする」。一病息災、すなわち、うまく行かないことが かえってプラスに働く時です。いずれにしても、雷地予の時、喜ぶばかりでなく、持病の人が用心するように用心に用心を重ねよということです。
- 上6:自分をコントロールする術を身につけなさい。
冥予。成有渝。无咎。
(めいよなれどもかわりありとがなし。)
「冥予」は快楽に溺れること。「渝」は変わること。「快楽に溺れて冥土行きになりそうだ。心を入れ替えれば問題はない」。手遅れにな らないように一刻も早く目を覚ますことです。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
「マーフィの易い」J.マーフィ(昭和61年、産能大学出版部)及び以下を参照しています。
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