連載 究極の分業 第二回|初めて代金を受け取る
連載 究極の分業 第二回
初めて代金を受け取る
電さんと方位予定帖を作った二日間
2026年10月21日(水) | 論考 | AI・技術
第一回に書いた地図の注文は、十月二十日(火)の朝のことでした。その前の晩、十月十九日(月)の夜に、方位予定帖は代金を受け取れる品物になっていました。今回はその晩までの話です。ただし、決済の設定画面の手順は書きません。画面は変わりますし、手順なら電さんが一つずつ教えてくれます。書くのは、何を決め、何を任せ、何を自分の目で確かめたか、という流れと心構えだけです。
前回:第一回 言葉で頼む
稼いだことのない者の、値段の決め方
電さんは最初に、方位予定帖を姓名科学の会員料金に含めるか、別の値段にするかを問うてきました。私は迷って、正直に書きました。私は今まで、ネットでお金を稼いだ経験が皆無です。少しでも日銭が稼げて、その分を電さんへの支払いに回せたら素晴らしい、と。
電さんの答えは「別料金」でした。これは何で、いくらで、何ができるのかが、買う人に一目で伝わるからだそうです。続いて、月額にするか、買い切りにするかを問われました。私は、ユーザーにとって便利なほうが良い、とだけ答えました。
この一言から、電さんは「購入日から一年間使える買い切り、自動更新なし」という形を出してきました。いつ買っても丸一年使える。解約を気にせずに済む。期限が過ぎても、書いた予定は消えない。値段は三つの案から、私が1,000円を選びました。
決めたのは私で、決めるための材料をそろえたのは電さんです。値段の相場も、売り方の型も知らない私でしたが、使う人にとって何が便利かなら答えられました。それだけで、値段の形は決まりました。
難儀な所ほど、任せる
代金を受け取る仕組みは、三つの部品でできています。カードの支払いを受け付ける決済の会社(Stripe)。支払いを確かめて解錠番号を発行し、メールで届ける小さなプログラム。そして、その番号で方位盤を開く方位予定帖のページです。プログラムとページは、電さんが書きました。
私の役目は、決済の会社の画面で支払いのリンクを作ること、プログラムに鍵を登録すること、そのプログラムを動かし始めることでした。お金にかかわる鍵は、安全のため本人が扱う。これも電さんが最初に決めた分担です。
それでも、素人には難儀でした。慣れない画面を行ったり来たりして、どこを押せばよいのか分からなくなる。月曜の午後、府中にお客様が来ることになり、私は電さんに相談しました。席を立ったり別のPCに移ったりが続くので、落ち着いてじっくり取り組める体制を作ってからにすべきではないか。
電さんも同じ考えでした。支払いの設定は一度で正しく済ませたい作業で、途中で席を外すと、どこまで進んだか分からなくなりやすい。鍵の貼り間違いの元にもなる、と。そして、残りの手順を書き置いてくれました。
夜、別の場所へ移ってから、私は書きました。今から二時間、たっぷり時間がある。もう少しましなPCで作業する。結構むずいです。再開すると、続きはちょうど止めた所から始まりました。画面の写しを貼れば、押す所を示してくれます。一人なら投げ出していたと思います。
お金の流れは、自分の目で
仕組みが整ったところで、電さんは、私が自分で一度買ってみるよう勧めました。私は自分のカードで1,000円を払いました。支払いが済むと方位予定帖のページに戻り、「解錠しました」と出ました。メールにも解錠番号が届きました。
ところが、方位盤に吉凶の色が付いていません。電さんに尋ねると、原因は、そのページにまだ生年月日を登録していないことでした。吉凶は本人の本命星から見て決まるので、生年月日がないと色を付けられないのです。
買ったばかりのお客様も、きっと同じ所でつまずきます。そこで、購入したのに生年月日が未登録のときは、登録をうながす案内を目立つ所に出すよう、その場で直してもらいました。これは、自分で一度買ってみなければ気づかなかったことです。
最後に、決済の会社の画面で、自分の1,000円を返金しました。決済の手数料の数十円は戻りません。お金がお客様からどう入り、どう戻るのか。その流れを自分の目で見た、確かめの代金だと思っています。
任せることと、確かめること
この晩に覚えた心構えは、二つです。一つは、素人が難儀する所ほど任せること。プログラムを書くことも、画面のどこを押すかも、私が一から覚えていたら、品物になるのは何か月も先だったでしょう。
もう一つは、お金と鍵は自分の手で扱い、お金の流れは自分の目で確かめることです。お客様から代金をいただく以上、どこでどう受け取り、どう返すのかを知らないままではいられません。任せる範囲を決めておいたからこそ、確かめることに力を残せたのだと思います。
翌朝、私は外出先のスマホから、地図を載せたいと書くことになります。代金を受け取れる品物になった方位予定帖を、すぐにもう一段よくしたくなったのです。
次回、第三回は「見て直す」。線では見えにくいから背景の色に。色の見分けにくい方には文字を。画面を見ながら形を決めていった場面を書きます。
方位予定帖
予定を書き込むと、その日の方位盤が重なる予定帳です。予定の記録と今日の日盤は無料です。ほかの日の方位盤と吉凶の色分けは、1,000円(購入日から1年間・自動更新なし)で開きます。
▶ 方位予定帖を開く ▶ 改良の記録
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姓名科学のページ
AIと人の創作の関係については、UCA(新しい知財の構想)として提言をまとめています。▶ 提言を読む
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