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◎第一章夢・希望・幸福 希望を叶える魔法の杖◎『武田邦彦の科学的人生論』飯塚書店刊より

第一章夢・希望・幸福

希望を叶える魔法の杖

この世には「希望が叶う魔法の杖」がある。

人間、誰しもが人生に希望を持っている。体も丈夫で何不自由なく生活しているように見えても、さらにお金が欲しいと思っていたり、もっとたくさん恋人が欲しいと思っていたりする場合もある。そんな「わがままで贅沢な願い」も悪くはない。
一方では、病気がちでなんとかそれを治したいのだがよい治療法がないとか、ご家族で苦しんでいる方がおられるとか、愛する人を失ったとか、さまざまな人がさまざまな悩みを抱えながらも明日への希望を抱いている。悩みもいろいろなら、希望もさまざまだ。そして誰もが希望を叶えられたらと願う。
私はある時まで、誰もが「希望が叶う魔法の杖」のありかを知っていると思っていた。
でもそれを使わないのは何か別の理由があるのだろうと考えていた。
ところがそうではなかった。その杖のことを学校でも職場でも教えてくれない。だから、多くの人は杖の存在を知らないまま人生を送るようである。そこでそれを書くことにした。
願いごとがある場合、第一段階は次のようにする。

(1) 願いごとを叶えたいと思うこと。
(2) 願いごとは叶うと信じること。

そんなの当たり前じゃないか! 願いごとなんだから、本人が希望している。だから叶えたいと思うのは当たり前だ!とお叱りを受けそうだが、そうではない。多くの人は心配性であり、願いごとが実現しないのではないかと心配するあまり、叶えたいと思うこと自体が恐ろしいのである。
つまり、願いごとは叶えたいのだが、そう思うと叶えられなかった時にガックリ来るのが心配で、願いごとを叶えたいと思えなくなってくるのである。つまりこの(l) と(2)は連動していて、願いごとが叶うと信じることができれば願いごとを叶えたいと思うことができる、という逆の言い方もできるのである。
私はこの話をする時に、よくこう言う。
「願いごとは叶うと思ってください。叶うかどうかは別にして」
多くの願いごとは自分ひとりの力では叶えることはできない。高校野球で優勝したいとか、あの大学に入りたいとか、あの人と結婚したい……どれもこれも相手次第で、自分ひとりでは決められないことである。たとえば就活中の学生なら「00会社に入りたい」と願ってみても採用は会社側がするのだから、自分ではどうにもならない。
つまり願いごとが叶うかどうかは「あなた任せ」であり、私の言葉で言えば「向こうから来るもの」なのである。「向こうから来るもの」は自分の自由にはならない。だからこれでは「魔法の杖」にはならないのである。
しかし願いを叶えたいと思い、願いが叶うと信じ続けて数年を経ると、

(3) 向こうから来るものは拒まない

という杖を手にすることができる。

『武田邦彦の科学的人生論』飯塚書店刊より R080902

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