◆ 大仏を守る木造建築も秀逸 ◆
奈良の大仏に関連して、日本人の素晴らしさを示すものとして「大仏殿」の話もしておきましょう。
東大寺の大仏殿は世界で最大の木造建築です。自然の木材を利用するという点でも、大仏殿は世界に誇れる文化の一つと言えます。
現代でも宮大工がその建築技術を受け継いでいます。法隆寺の建築物なども同様ですが、木組みが実に精密です。
一本の木を切り出してきて手斧で切り、鉤(かんな)で表面を削り、形を整えます。木の特性を見極め、一本一本の丸太が切り出した後に乾燥して膨張・収縮を繰り返すことも計算に入れ、釘をほとんど使わずに、ぴたりびたりと組み立てていきます。
現代のような、数字で計算されつくした建築技術ではありません。均一化された材木を組み立てるわけでもなく、そのほとんどが経験と勘の積み重ねの宮大工の力でつくり上げられます。そうした技術が結集して、大仏殿のような、巨大で、しかも頑丈な木造建築物が成立しています。
『かけがえのない国 誇り高き日本文明』武田邦彦著 MdN出版(R05年)より R080529
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