第44話 生産計画の大幅変更
生産計画の変更は、二種類あった。
一つは、小さな変更だった。
月間数万台流れる中の、一台、あるいは二台の仕様を変える。色を変える。装備を変える。たった一台のことが、ラインの途中で変えられるかどうか。システムが整っていない時代、それは人間が手で動かすしかなかった。部品を差し替え、工程を組み直し、現場に伝える。間に合えば変えられる。間に合わなければ、その仕様のまま作るしかなかった。
作ってしまえば、売れない車になる。それだけは避けなければならなかった。
もう一つは、大きな変更だった。
イランイラク戦争が勃発した時のことを覚えている。それまで積み上げていた中東向けの受注が、一夜にして消える可能性が出た。数千台という単位だった。
工場を動かし続けるための計画と、売れない車を作らないための判断。その二つが、真正面からぶつかった。
生産を落とす、という判断は、個人ではできなかった。
人員計画が変わる。残業がなくなる。場合によっては休業が出る。組合との調整が必要だった。納得してもらわなければ、現場は動かない。数字の話を、人間の話に変えて、テーブルに乗せなければならなかった。
生産課とは、工場と営業の間に立つ仕事だった。
作る側の論理と、売る側の論理。その境界線で、小さな変更も大きな変更も、同じ一点に向かっていた。売れる車を、売れる数だけ作る。それだけのことが、これほど複雑だった。
世界で何かが起きるたびに、工場の計画が揺れた。遠い戦争が、村山工場の数字を動かした。その数字の裏に、人間がいた。
(つづく)R080422
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