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第39話 チャップリンの一場面 生産ラインの中

第39話 チャップリンの一場面 生産ラインの中

生産ラインは、止まらない。
それが最初に学んだことだった。ベルトコンベアは一定の速度で動き続ける。人間の都合など、関係なかった。
最初の数日は、ラインに追われた。
次の工程が来る前に、自分の作業を終わらせなければならない。頭ではわかっていた。だが手が、体が、追いつかなかった。焦れば焦るほど、動きが鈍くなった。隣のベテランが、何も言わずに手伝ってくれることもあった。その背中が、申し訳なかった。
夜、寮に戻ると、腕が上がらなかった。
使ったことのない筋肉が悲鳴を上げていた。飯を食って、風呂に入って、倒れるように眠った。翌朝また工場へ行った。
それを繰り返した。
一週間が過ぎた頃、少し見えてきた。ラインの流れに、リズムがあった。機械の音に、パターンがあった。体がそれを覚え始めた。
二週間が過ぎた頃には、余裕が生まれた。
トイレに行けるようになった。それが、習熟の証だった。ベテランたちは笑いながらそう言った。冗談のようで、本当のことだった。
ラインに乗る、とはそういうことだった。人間が機械に合わせるのではない。機械のリズムが、いつの間にか自分のリズムになっていく。
体が、工場を覚えていった。

(つづく)R080417

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