【ロボット革命連載全四回 その③】鹿・猪・猿害に悩む農家よ。ロボットという選択肢がある
農林水産省の統計によれば、野生鳥獣による農作物被害額は年間約155億円(2022年度)にのぼる。統計に現れない「営農意欲の喪失」「耕作放棄」「離農」の連鎖を含めれば、実態はその数倍に及ぶと言われている。
■ 動物別・被害の特徴
▷ シカ
主な被害:水稲・麦・大豆・野菜全般
特徴:群れで行動。電気柵に慣れやすい。夜間活動が主体
▷ イノシシ
主な被害:水稲・芋類・根菜
特徴:掘り起こし被害が甚大。力が強く柵を破る
▷ サル
主な被害:果樹・野菜・トウモロコシ
特徴:知能が高く、罠や音に素早く慣れる。集団行動
■ 従来対策の「慣れ問題」
音響装置(犬の鳴き声・銃声)、光フラッシュ、超音波──これらの機器はホームセンターでも購入できる。しかし致命的な弱点がある。動物が「慣れる」のだ。特に知能の高いサルは数日で無効化してしまう。
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動物が慣れにくい対策の条件は、
「毎回違う動き」「近づいてくる存在感」「予測不能性」の3つだ。
これはロボットが最も得意とする領域でもある。
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■ ロボット威嚇・3つの具体的シナリオ
【シナリオA:夜間巡回型(犬型ロボット)】
日没後、農地の周囲を犬型ロボットが自律巡回する。動体センサーが鹿・猪を検知したら、警報音+接近行動で威嚇。人間の見回り労働を完全に代替できる。
【シナリオB:昼間対応型(ヒューマノイド)】
サルの群れは昼間に出没することが多い。人型ロボットが畑の中を動き回ることで「人間がいる」という錯覚を与え、侵入を抑制する。
【シナリオC:AIカメラ連動型】
圃場に設置したAIカメラが動物を識別→ロボットに位置情報を送信→ロボットが自動で急行。カメラとロボットの役割分担でコストを最適化できる。
■ コスト比較
電気柵(100m分):初期費用15〜30万円 課題:地形・設置労力
音響威嚇装置:初期費用1〜5万円 課題:慣れが早い
犬型ロボット購入:数百万円〜 課題:初期コスト高
レンタル(繁忙期限定):1日約14万円〜 課題:繁忙期30日で高額
※農林水産省・総務省が鳥獣害対策のIoT・ロボット導入に補助金を出しており、事業として成立する可能性は今後高まる。
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最終回は、この技術革命を日本の未来戦略として捉え直す。「移民か、ロボットか」という問いに向き合う。
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