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◎ 人間の住める都市に改造する必要がある 家庭で行う正しいエコ生活』武田邦彦 平成21(2009)年 講談社刊より

◎ 人間の住める都市に改造する必要がある

沖縄の中部に「うるま市」という市があり、とても美しい沖縄の海に接しています。
海岸線はサンゴ礁特有の見事なコバルトブルーをしていますし、気持ちの良いそよ風が吹いています。2008年、11月にうるま市に用事があって行きましたら、「まだ11月なので(暑いから)、ホットコーヒーはやっていません」と言われてビックリしました。
東京ではそろそろセーターを着て、コートのいる季節に入っていましたが、私とご一緒のうるま市の職員の方はまだ半袖でした。
でも、そのうるま市は夏の平均気温は27℃、それも時々、スコールのような激しい雨が降り、夜になると涼しい海風が吹いてきます。そこでうるま市の若い男性に「今年の夏はエアコンをつけましたか?」と聞きましたら、「2、3日つけました」と言っていました。
海洋性気候とよく言いますが、海に近いと気候が穏やかで、冬も暖かいし、夏は涼しいものです。本来は東京も海洋性気候なのですが、何しろ、海の方にびっしりとビルが建ち並び、窓はいつも全部閉め切り、昼でも蛍光灯をつけないと仕事ができないようになっています。このようなビルの設計は、「世界中、どこにいても同じ環境で過ごせる」という高度成長以来の高層ビルの考え方で造られているからです。
日本で最初の高層ビルは日本設計の池田武邦さんが設計した霞が関ビルですが、その時には池田さんは「自分の設計は正しい」と確信があったと言っておられました。でも、第二の高層ビルを新宿に建てて、そこに住んでみると、「これは人間の住むところではない」と感じてそれ以後、高陪ビルの設計を止めてしまいました。
今では、ビルの設計を変え、ビルの方向も考えて海風が都市に入るようにすれば、かなりの効果が認められるとすでにわかっていて、東京駅のビルは建て替えが検討されています。でも、すでに造ってしまったビルは寿命が来ないとなかなか現実的には建て替えられないので、時間はかかりますが。

さらに、日本は先進国の中でも際だって東京などの大都市に人口が集中しています。でも日本こそが鉄道の技術が発達しているので、鉄道をさらに発展させて車を少なくし、それと同時にアスファルトとコンクリートで覆われた道路や地面をできる限り土に戻すのです。たとえば車道でも土の部分とコンクリートの部分を1センチ四方ぐらいで碁盤の目のようにすれば、自動車は快適に走れますし、土が出ているので、そこから水蒸気が蒸発し、打ち水効果が出ます。
もちろん、歩道や会社の敷地も積極的に土を出し、樹木を植えることです。樹木は葉っぱから大量の水分が出ますので、先ほどの地図のように山の方は気温が低くなるのです。
都市とはそこに住む人がその気になれば、快適な生活空間を作ることができます。能率一本でやってきた日本が、そろそろ質の高い、自然と調和した生活ができる時期ですから、考え方を180度転換するのが良いと思うのです。

家庭で行う正しいエコ生活』武田邦彦 平成21(2009)年 講談社刊より 20260302
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