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ちょっとおかしい日本のがん対策

ちょっとおかしい日本のがん対策

戦後すぐ、1947年から現在までの死因別死亡者数の推移を見るとがんが原因で亡くなった人の数が突出しています。厚生労働省が出している「政府におけるがん対策の主なあゆみ」によると、がんは1981年には死亡原因の第1位になっています。そこでその年から「対がん
10カ年総合戦略」を立てました。しかし10年経っても成果がでなかったので、今度は「がん克服新10カ年戦略」、続いて「第③次対がん10カ年総合戦略」と、ずっと対策を取り続けています。にもかかわらず、効果は上がっていません。

何かをやってもうまくいかないとき、その理由は3つあります。

1つ目は「時間が足りない」、
2つ目は「間違ったことをしている」、そして
3つ目は「やる気がない」。

がん対策がうまくいかない理由はどれでしょうか。
例えば交通事故は、昭和40年代には交通通戦争と言われたほどで、年間2万人以上が命を落としていました。その対策としてシートベルトの装着を法律で義務付けたり、新しいエアバッグを開発したりと、さまざまな対策を講じてきました。その結果、現在では年間の交通事故死亡者数は約4000人と、当時の5分の1程度にまで減りました。
きちんと時間をかけて、知恵をしぼり、やる気もあったからです。
また、私が歯科医だから言うわけではありませんが、「80歳になった時に歯が20本あると寝たきりや認知症が少ない」ということで、
年から虫歯の対策を椎進する「8020(ハチマルニイマル)運動」というのを始めました。始めた当初は80歳の歯は平均3本しかありませんでしたが、それを20本まで待っていこうということで対策を進めたところ、今では8018(ハチマルイチハチ)くらいまできていて、虫歯も歯周病も3分の1になりました。
これは成功したと言えるでしょうが歯科医師の売上も3分の1になりました。それでも歯科医は自分たちが貧乏になることよりも病気が減る方が大事だと考えて、目的達成することができたわけです。
一方のがん対策はと言うと、国立がんセンターを1962年に作ってからすでに60年が経っています。にもかかわらず、がん患者は減らないどころか増えている。となると、「間違ったことをしている 」か「やる気がない」かのどちらかということになります。
2007年には「がん対策推進基本計画」もできました。この中に「重点的に取り組むべき課題」として、おかしなことが書かれています。

(1)放射線療法・化学療法の推進これらを専門的に行う医師等の育成
放射線療法と化学療法は「がんになってしまっているのを治す」ものであり、がんを予防するものではありません。もちろん医師を育成したからといって、直接的にがん患者が減ったり、これから罹患する人が減ったりすることはありません。

(2)治療の初期段階からの緩和ケアの実施
「緩和ケア」とは、もう治しようがないということです。となると、「治療の初期段階からギブアップする」ということになります。

(3)がん登録の推進
がんを登録しても、患者が減るわけはありません。これは誰が見てもおかしいでしょう。

もしも歯医者ががん対策と同じ道をたどっていたなら、例えば

「虫歯対策として、虫歯を削る医師を専門で育成しよう」
「虫歯になって痛ければ、(根本的に治療することは諦めて)鎖痛剤を出しましょう」「虫歯の患者さんを登録しましょう」

となるわけです。これらをしたところで、虫歯の人は減りますか? もちろん減りませんよね。

『Renaisance Vol.13』ダイレクト出版 「食と病気と日本人 癌が増えた理由とは」 吉野敏明氏より
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