世界のハリケーン類
暴風雨を伴う熱帯低気圧は、発生海域が太平洋の西部なら台風、インド洋やオーストラリア近海ならサイクロン、アメリカの西海岸や大西洋ならハリケーンと呼びます(総称するなら「ハリケーン類」)。昔は地上と海上の観測が頼りだったところ、一九七○年代からは(ウソ1に紹介した大気温と同様)衛星観測が始まって、全体像をくつきりつかめるようになりました。
初期のころからハリケーン類の衛星観測をしてきたフロリダ州立大学の気象学者マウイー教授が、たまった結果を二〇一○年代から論文にし始め、ホームページ上でデータ更新も続けています。★
Global Tropical Cyclone Activity
それを見ると過去四三年、ハリケーン類の発生数にも総エネルギーにも、「強いハリケーン類」の発生数・上陸数・総エネルギーにも、日本近海の台風と同様、はっきりした傾向はありません。北半球と南半球の差もないようです。
ちなみに二〇二一年は、世界全体でみたハリケーン類の発生数が、四二年間の観測史上、最低を記録しました。ただしそれも変動の範囲内だと思います。いずれにせよ、台風やハリケーンが近ごろ強まった形跡はまったくない‥‥と心得ましょう。
「気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)
