真逆の意味に使われる「エコ」
エコの原語 Okologie(英訳ecology)は、一八六六年にドイツの動物学者ヘッケルが、ギリシャ語のoikos(オイコス=家)とlogos(ロゴス=ことわり・論)からつくりました。自然界を生き物の「家」に見立てて、生物と環境の調和を考える学問を意味します。近ごろは、エコノミー(商売)の略語とみるのがぴったりでしょう。
生物と環境の調和でカギを握るのが、CO2という物質です。
CO2の濃度が十分だからこそ植物は栄え、ひいてはヒトを含めた生物界も豊かさを保つ(一五〇ppmを切れば植物は育たず、全生物が滅びる)。
CO2が濃くなれば豊かさも増す。だから、CO2を減らそうというのは、本来の意味を考えれば反エコの発想なのですよ。
近ごろは新聞やテレビも、一部の研究者や識者も、見た目だけCO2排出を減らしそうな太陽光発電や風力発電、電気自動車(EV)、バイオ燃料を、「エコな行動」「環境に配慮した製品」だと絶賛します。
けれどそんな行動も製品もCO2排出を減らさないし、バイオ燃料なら排出を増やす(化石資源の枯渇を早める)のです。なぜなのか、本書の後編でゆっくり考えましょう。
『「気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)
