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歴史もュートンの法則で動いている?

ニュートンが確立した、慣性の法則。これは、理系の世界の話にとどまらないのです。歴史を振り返っても、実はこの法則が生きています。
日本で言えば、明治維新後がこれで説明がつきます。
日本は帝国主義時代の中で、自らもその中に身を投じることを決断します。それが、日清戦争であり、日露戦争でした。この両戦争は、戦争ではありますが、いまでも評価する人が多い。
司馬遼太郎も日露戦争を題材に『坂の上の雲』を書きました。
ところが、この2つの戦争を経たあと、日本はどんどんおかしな方向に走り出します。ついには、中国に攻め込み、アメリカと正面衝突しました。
日清・日露の前は、日本はまだ動き出しておりません。だからこの2つの戦争を始める際は、ものすごいエネルギーがいりました。実際、戦艦や武器も揃えなければなりませんから、お金も非常にかかっていて、国民は重税にあえぎました。日露戦争後、ポーツマス条約の中身に不満があるとして、日比谷焼き討ち事件などの暴動が起きますが、それぐらい庶民には負荷がかかっていたのでしょう。
たとえるなら、日清•日露の両戦争は、スピードスケート500メートル競技のスタートダッシュのようなものだったのです。選手は全力で氷を蹴り、体力を消耗します。でもそのあとはカーブを切る技が中心で「慣性の法則」に基づいてゴールに到達します。
止めるには大きな力が必要だ、と言いましたが、スピードスケートの選手も転ぶと、自分の体を止めることができず、猛烈な速度のまま壁に激突します。日清•日露の戦争のあとの日本も同じで、次々と戦線を拡大し、ついに多くの都市を焼け野原にし、多数の犠牲者を出してようやく、この「運動」を止めることができたのです。
人間という生き物は、どんなに偉そうにしていようが、寝て、起きて、食べて……という、自分の意思に関係ないところで生きています。どんなに寝たくないと思っても、いつかは寝てしまいますし、その逆で、どんなに起きたくなくても、いつかは目覚めてしまいます。これは、私たちの意思の力によるところではないのです。物理の法則にのっとって生きているのです。
と考えますと、歴史なんて、そういう人間が作り出したものですから、物理の法則がやはり、そのいい見本です。生きてくるのです。日本の近代史は、グローバル化された現在、「正しい」ということを考えると、グローバリゼーションのおおもとであるアメリカに行き着きます。自由、民主主義……アメリカが作ってきた理念は、いまでも「正しい」とされています。
『「正しい」とは何か?』武田邦彦著 小学館より

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